審査に合格して賃貸契約が出来るブログ:2016/02/11


7年前にママが、続いて3年前にお兄さんが亡くなった。

それまで自由気ままに
結婚もせず、遊びまわっていたミーも、
さすがに一人実家に残った病を抱えた親父を思い、
約20年ぶりに実家に帰った。

ママが健在の頃から、
日本酒を浴びるように飲むお兄さんと両親の仲は、
しっくりいかなかった。

そしてママがクモ膜化出血で倒れ、
約ふた月の闘病の末亡くなった後は、
親父とお兄さんの関係は修復しがたい程にこじれていった。

ママの死を自分のせいだと自らを責め続けるお兄さんには、
日本酒以外に逃げ場が無かったのかもしれない。

酔っては暴言を吐き暴れるお兄さんを、
親父は悲しい目で見ていた。

そんな生活が災いして、お兄さんも亡くなった。
親父は「悲しいけれど、正直ホッとした」とミーに言った。

ミーは、実家に戻りしばらくたってから、
ママが亡くなって以来そのままになっていた、
家の中の片付けを始めた。

そんなある日見付けた手紙の束の中に、
親父からママにあてた手紙があり、
ミーは親父に内緒でそっと開いてみた。

それはミーが生まれて間もなく、
親父が出稼ぎ先から出したものだった。

内容は
「たまにしか会わないので、
お子様たちが自分の顔を見て泣きだしたのがショックだった」とか
「早く一緒に暮らしたい」とかたいした内容では無いのだけれど、
家族に対する愛情が溢れていた。

ミーは涙が止まらなかった。
お兄さんが生きている間に、ひと目見せてやりたかったという気持ちで、
胸が一杯になった。

仏壇の隅に親父の目にふれぬようにそっと手紙を置き、
心の中で
「兄ちゃん、ミーたちはこんなにも愛されて育ちましたよ」
とそっと呟いた。

そして、親父も昨年亡くなり、
ミーは本当に一人きりになってしまった。

でもミーの前には、3人の写真が有り、
今も3人からの愛情を感じている。